
鰻を蒲焼きで食べることがはじまった江戸時代に遡ります。関東の江戸は武家社会であったため、「腹からさくと切腹を思わせ、縁起がよくない」として背中から開きました。一方、流通が発達していた関西の大阪では「商人が腹を割って話せるよう」にと腹開きにしたといわれています。
確かに、鰻の蒲焼き100グラム当りのエネルギーは約300キロカロリーで牛肉並みのカロリーです。脂肪も100グラム当り24グラムと多めです。しかし、鰻に含まれる脂肪は不飽和脂肪酸といい、オリーブオイルやリノール酸などと同様に悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があり、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病を予防するのに役立つもの。肉や乳製品に多く含まれ、脂肪となってしまう脂とは異なります。安心してお召し上がりください。
物価や株価などが急速に上がっていくことの例えとして使われる「うなぎのぼり」。その根拠は実際に鰻が切り立ったよう岩壁などの斜面を登っていくことが見られることから、いわれるようになったと思われます。壁面が濡れていれば、這うようにして身体をくねらせて移動します。またヒフ呼吸もできるので、体と周囲が濡れていれば、かなり長い間、水中にいなくても生きていられます。
昼間は川底の岩のすき間などでじっと潜んでいて、夜になると、小魚やカニ、昆虫、カエルなどえり好みせず
捕食することが知られています。鰻は大食漢であり、エサさえ豊富にあればどんどん成長し、サイズも1,5メートルくらい、人間の腕くらいまで大きくなるものもいます。鰻の縄張りの広さは、エサがいる量にも関わりますが、おおよそ90〜140メートルといわれています。
「割き」とは鰻を開くことで、目打ちや割き用の包丁を使って、ヌルヌル動く鰻を上手くさばかないといけません。「串打ち」は焼くために鰻に串に刺すこと。いい加減に刺すと蒸したり、串を抜くとき、形が整いません。「焼き」とは、均等に焼けるよう付きっきりで何度も何度も返しながら焼くこと。一人前の蒲焼き職人になるには、一生かかるほど大変難しいことを表しています。ちなみに関東では「串打ち三年、割き五年、焼き一生」といいます。